2013年10月30日

旅の思い出4

エスファハーンの次はマシュハドという街にやってきました。


この街はアフガニスタンとトゥルクメニスタンという国のそばにある国境の街。見所は1つしかないのですが、それを見る為に1時間半の道のりを飛行機で往復してみました!



イスラム教はスンニ派とシーア派という2大宗派があります。
スンニ派はアラブを含めほとんどの国で信仰されている主流派。
シーア派は信仰しているのがほぼイランのみ。あとは所々に点在している感じ。


で、マシュハドにはシーア派最大の聖地があります。
イスラム教最大の聖地メッカは街自体に異教徒が入れません。
でも、マシュハドはありがたい事に聖域にも異教徒を入れてくれる!


ただ条件はあって、公的なガイドが一緒じゃないと入れない。
そして、ガイドが居ても聖域の中心までは入れない。



そんなわけで、旅の前からいろんな人のブログを見て調べておきました。

で、外人用の入り口ではなく、一般巡礼者用の入り口から入れれば、どうやら中を自由に見て周れる感じ。あとカメラの持ち込みがダメなのですが、なぜか携帯電話のカメラなら撮ってもいいみたい。



とりあえず、一般巡礼者用の入り口へ。
敷地はかなり広大なので入り口はたくさんあります。
でも、どこの入り口でも荷物預け所があってボディーチェックをされる。




で、ドキドキしながらも無事に中に入れる!

ひと安心して歩いていると、すぐに子供達に囲まれる。
イランでは子供に限らずしょっちゅう声をかけられます。

楽しいから構わないのですが、ただ入り口のまん前で。。。
当然、目立ってしまったのだと思います。


突然、聖職者っぽい人があらわれて、あなたはイスラム教徒ですか?と聞かれる。
違うと答えると、ついてきてと言われ入り口の外に戻される。
そして、ここで待っていてと言われる。



そんなわけで、公的なガイドさん同伴で聖域を巡りました。。。



内部の建物は今まで見たイスラム建築では最高の繊細さと美しさ。
ただ、英語をしゃべれないので、ガイドさんが説明している英語の内容はあんまり理解できないけど。。。


それでも、純粋に感動していたら、ガイドさんも聖域の少し奥の方まで案内してくれる。
そして、ガイドさんが一緒だから写真を撮るのを控えていたのですが、
携帯で写真をとってもいいよと向こうから言ってくれました。

まぁ、だとしても遠慮してあんまり撮れませんでしたが。



 




最後にDVDとかのお土産を大量にもらって、1時間ほどで見学が終了。
ガイドしてもらってお土産までもらったのにお金は一切いりません。
ほんとにありがたいことです!



ただ、ありがたいのですが完全に不完全燃焼!
わざわざ飛行機でやってきたので、これでは帰れない。


そんなわけで、夜にもう一度挑戦してみました。


こんどは服装を地元の人に馴染むように地味なシャツを着る。
さらに荷物は一切持たず手ぶら。

すると、今まで頻繁に声をかけられていたのに、おもしろいくらいに一切声をかけられなくなる。
おかげで、無事に内部に入れて周る事ができました。

ただ、モスクの建物内にまで入る勇気はでませんでした。
モザイクの鏡張りでかなり豪華な感じだったけど。



夜の10時近いのにものすごい人の数。
24時間入れるそうで、聖地のまわりには野宿している巡礼者もたくさん。





ほんとに豪華すぎる世界。
しょぼい携帯のカメラでしか撮れなかったのが残念で仕方ない。

で、聖域内はほんとに広くて、いくつもの大きな広場があります。
でも、どこにも東洋人はいないのでドキドキ。










巡礼者がたくさん訪れるので、街の市場も活気があります。
歩いているだけでおもしろい。






マシュハドで1泊して首都テヘランに戻る。
そして、再びテヘランを観光してイランは終わり。

次は最後の滞在先ドバイへ。



今回はお母さんも一緒なので、いつものような詰め込んだハードな旅はしませんでした。

イランは入国するまでは大変な国でしたが、入ってしまえばほんとに旅しやすい国。見所もたくさんあるし、みんな親切で治安も良いし、物価も驚くほど安い。

ちなみに、500mlのペットボトルの水が15円ほど。
ちゃんとしたレストランで3人でそこそこ食べても1500円ほど。


また近いうちに旅しに戻ってこよ!



*詳しくはホームページへ*
旅と音楽とちょっとのお金
http://metde.gozaru.jp/

2013年10月23日

旅の思い出3

飛行機で1時間弱、イラン最大の見所エスファハーンという街にやってきました。


海外を旅すると、学生時代に世界史を習っておけばとよく思うのですが、
中世の長い間、イスラム文明が世界の中心だった時期があるみたいです。今では考えられないけど。


その時代のヨーロッパは衰退し、イスラム文明は圧倒的な技術や文化を持っていました。で、ルネサンスの始まりとか近代ヨーロッパの発展にもかなり大きな影響を与えたみたい。

イスラム圏を旅して気づくようになりましたが、ヨーロッパの建築とか家具、雑貨もイスラムの影響を結構受けているなと思う時があります。



そんな時代にシルクロードの拠点として栄え、
"エスファハーンには世界の半分がある"とも言われた街。




世界遺産のエマーム広場。
均等な建物に囲まれた巨大な広場。





コンクリートを使わない時代なのに巨大で複雑。



モスクの天井は吸い込まれそうなほどサイケデリックな模様。



光が反射する模様も計算されているのかも。



その光が、美しい壁を優しく照らす。



人が作り出す美しさと自然が作り出す美しさ。



去年、世界遺産に登録されたモスク。



壁の1ヵ所をアップしてみると。

ちょうど身長くらいの正方形ですが、小さな単色のタイルを無数に並べ繊細な模様が作られる。
こんな飾りが、模様を変えつつ建物全体を覆っています。



街の中にあるきれいな橋。
地元の人の憩いの場で、シートを敷いてお茶を飲んで団らんしていたり。
こういう場所を歩くと、お茶の誘いやら好奇心やらひっきりなしに声をかけられる。。。



どこの街でも市場はおもしろい。
特にエスファハーンは手作りの工芸品がたくさんあって惹かれるものばかり。



お土産を買う時、たいていの国で店員さんは値段を高めに言ってきます。
イランの場合は、初めに言ってくる値段がそもそも安い。
そんなに安いの?と驚いてしまいます!

つまりぼったくりの値段ではなく、いつも適正な値段を言ってくれるので安心。値札がついている店も多い。
そのおかげで、値引きをしてもそんなに引いてくれないけど。




チャイハネと呼ばれる喫茶店。
どこのチャイハネも内装がこっている。


中東では、のんびり雑談をしながら水タバコを吸ってチャイを飲むという風景をよく見かけます。


水タバコは、ニコチンが水に吸収されるので、一応、紙タバコよりは無害とされています。で、今まで体験していなかったのですが、今回初挑戦してきました

肺まで煙を入れる必要は無くて、でも煙にバラとかの香りがついてるので、思った以上にくせになる感じ。
時間も1回で1時間くらいはもつので、みんなでまわしながら吸います


見た目は怪しい感じだけど、日本でもやりたいなと思い帰国後調べてみました。

意外と欧米の若者の間でブームになっているそうで、そのおかげで日本でも新たに注目を集めつつあるそう。
で、フレーバーとかもネットでいつでも簡単に買えそう。

買うかかなり悩みましたが、
炭を燃やさないといけないし、一酸化炭素が体内に入るので紙タバコとは別の害が少しあるみたいです。
一式揃えるとはまりそうなので、たまに日本にある中東のレストランに吸いにいこ!



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2013年10月9日

旅の思い出2

テヘランの次はシーラーズという街にやってきました。


ここで今回の旅で1番感動した場所に訪れる!

そこはメインの見所ではなかったので、たまたま訪れた感じでした。
千年前の偉人のお墓で、たくさんの巡礼者も訪れるシーラーズの聖地。

そして訪れた時間帯がちょうど日が沈む夕暮れ。
まだ黒になりきらない深いグラデーションの空。
優しくライトアップされた青いドームの横に、巨大な満月が顔を出す。

豪華な建物に囲まれた広大な中庭には、美しい旋律の祈りの声が静かに流れ、数千人の人々が静寂にそして熱く、ピッタリとそろった動作でイスラムの祈りをしています。



こんないろんな偶然が合わさったおかげで、心の奥から熱くなる素晴らしい体験になりました。満月のシーンなんかは間違いなく写真展に入賞できると思います。


ただ、それは写真を撮れていたらの話で、実際は入り口でカメラを没収されている。。。

く、くやしすぎる~!
お墓の中は写真撮影が禁止で、入り口の荷物預け場所で没収されました。

唯一、入り口から撮った門の写真。




で、記憶だけだといずれ薄れてしまうので、ネットで思い出をたどれる写真を探してみる。


実際はもっと圧倒的に素晴らしかったけど、同じ場所の同じ時間帯。 リンク。(検索のトップにでてくる写真)


メインの建物内部。あとでガイドブックを見たら、メインはイスラム教徒以外は入れないと書いていました。知らないってお得。こんな豪華な世界は初めて見ました。
でも写真ではきっと伝わらない。いやらしさのない洗練された美しさ。 リンク


最近、イスラム圏をよく旅しますが、モスクで人々がお祈りをする場面ってあまり見る事ができません。まして数千人の人が同時にお祈りをしている場面なんてテレビ以外で初めて見ました。イスラム教徒ではないけど、ほんとに心に迫ってくるものがありました。 リンク



で、お墓は私が1番感動した場所。
奥さんが今回1番感動したのがこちら。













相変わらず、イスラム圏の美しさへのこだわりには驚かされてしまいます。
ヨーロッパやアジアに影響を与えたのがよくわかる。

ここはモスク、ステンドグラスも素晴らしいけど外も負けていない。







30メートル離れた場所から見ても美しいし、目の前30センチに近寄っても美しい。マクロとミクロの美しさ。



その他のシーラーズの見所。
おととし世界遺産に登録された庭園。




街の中心にあるお城。



どこの街でも市場はおもしろい。



タクシーをチャーターして1時間。
世界遺産に登録されている古代遺跡へ。

ここは中東3大遺跡のひとつ。
他の2つは、インディジョーンズの映画で使われたペトラ遺跡。
シリアにあるパルミラ遺跡。

全部制覇した!

とりあえず、このイランのペルセポリスが1番惹かれない。。。
手直ししすぎだからかな?ありのままの姿が好き。









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2013年10月5日

旅の思い出1

最初に到着したイランの首都テヘラン。




すると、早速イランの洗礼を受ける。。。


飛行場で両替をしようとすると、
"ここの両替所はレートが良くないから、出発ロビーにある両替所の方がレートがいいよ。あなた次第だけど、そっちで両替した方がお得だよ。"
とすすめられる。

普通ではありえない発言なので、びっくりしてかなり警戒しつつ出発ロビーの両替所に行ってみる。
気を張って疑いながら両替を頼んでみると、
"これからテヘラン市内に行くの?ここの両替所より市内で両替した方がお得だよ。"
とすすめられる。


な、なんて国なんだ~!
親切すぎると言うか、商売っ気がなさすぎる。

ちなみに銀行で両替をしようとした時ですら、近所の両替所の方がレートがいいよと教えられるし。
そんなわけで一気に緊張もほぐれ、噂どおりの親切なイランに笑ってしまいました!



ただ、お金の計算だけは旅行最後まで悩まされる。
制裁のおかげでインフレが進み、100ドル(約1万円)が約300万リアルという量になっています。


例えば、500円くらいの買い物をすると、150,000リアル(ワン ハンドレッド フィフティ サウザンド リアル)になります。

これだけでも複雑すぎるのに、日常では"リアル"ではなく、ゼロを1個減らした"トマン"という呼び方をしています。だから15,000トマンで、さらにゼロを省略して15トマンと言われます。

だけど、呼び方だけ"トマン"でお金は"リアル"なので、頭の中でゼロを戻したりトマンからリアルに変換したり。さらに値札とかは算用数字ではなくペルシャ数字なので、もう脳みそパンクです!

今まで旅した国の中で1番難しかったかも。


ただ、親切な国イラン。
桁を間違えて出してもぼったくろうなんて気持ちはないのかちゃんと教えてくれます。もたもたしていても丁寧に説明しながらお金を抜いてくれます。
他の国だとありえないけど、もう身をまかせっきり。



そんな感じで、旅の初日と最終日に1泊ずつテヘランに滞在してきました。
でも、あまり見所はないです。




テヘランは山脈のふもとに広がる街。
山には緑が無く、かなり乾燥したお国。
だから日陰は涼しいけど、日向はかなり暑くてぐったりしてしまいます。>

でも、緯度はちょうど東京と同じ位で、四季がちゃんとあって雪も降るそう。


そして、1000万人を越える巨大な都市なので車も多い。
空には薄くもやがかかり、タクシーに乗っていてもすぐに目が痛くなってきます。
きっと、大気汚染でPM2.5がかなりすごいことになっていそう。

個人的には、途上国のあの粗悪なガソリンの匂いって好きだけど!




で、テヘランで1番の見所の宮殿へ。
今年、富士山が世界遺産になって騒がれましたが、他にも18件が登録されています。
そのうちの1つがこの宮殿、世界遺産になりたて!


宮殿は今までに見た事のない豪華さ。
壁一面に鏡をモザイクにしてちりばめた部屋とか圧巻です。

ただ、宮殿の1番の見所が撮影禁止。
1番撮りたい場所の写真がない。







どこの国でも楽しいのが市場。
テヘランのバザールは中東最大規模らしいです。

そして、さすがペルシャ。
洗練されたおしゃれな商品がたくさん。


中東を旅するようになって、イスラムの雑貨とか家具にはまりました。で今回、半分冗談で、半分本気で本場のペルシャ絨毯を狙ってみました。

旅の前にも、見る目を鍛えるために日本のペルシャ絨毯屋をまわって勉強。
まぁ、結局イランでも高すぎて買いませんでしたが、日本で買うよりは3分の1とか4分の1の感じでした。

日本だと100万円をかるく越えそうな巨大で繊細な模様のシルク絨毯が40万円くらい。1畳ほどの絨毯だと10万円前後。
いずれ買いたいな!






街なかにポツンとあるモスクですらレベルの高い美しさ。




1979年にイラン革命というのが起きました。
その時、アメリカ大使館が占拠される。

今も、旧アメリカ大使館は当時のまま残っています。
写真を撮ってはいけないらしく、こっそり撮影。
他にも壁に"アメリカをぶっつぶせ"と書いてある。



そこから反アメリカ体制が今に続いていますが、地元の人を見ているともう昔の話で、どんどん状況はよくなりそうな感じ。新しい大統領もすごい優しそうなお顔だし。

去年のアカデミー賞作品賞のアルゴという映画が、このイラン革命の時の話だったはず。近いうちに見てみよ。



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